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2017年8月1日火曜日

~IBM i のAPPC通信プログラム~
IBM i でのSNA通信(構成編)

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前稿では、IBM i のSNA(APPC)通信構成、特に「ANYNET」と「EE」について書きましたが、今回はその通信構成を利用するユーザー作成のAPPC通信プログラムについて取り上げたいと思います。複数のIBM i を連携させて適用業務を実行したい場合、それぞれのシステムで稼働する通信プログラムを準備して、相互に情報のやり取りを行う必要性があります。もちろん、IBM i に豊富に準備されているアプリケーションを利用する方法もありますが、適用業務として必要な機能を盛り込んだ通信プログラムを作成して、実現する方法もあります。
ユーザー作成の通信プログラムは、TCP/IPが事実上の業界標準となっている今、要求を受けるシステムでソケット通信手順で書かれだサーバー・プログラムを開始しておき、要求を出すシステム側でクライアント・プログラムを開始して要求を出す…と言った方式が主流になっていると思います。もちろん、RPGLEでTCP/IPソケット通信プログラムを作成して、これらを実現することは可能ですが、IBM i では、TCP/IPが標準となる以前から存在する、SNA通信プログラムでこれらを実現することも可能です。特に、複数のIBM i 同士でのSNA通信プログラムは、そのほとんどがプログラミング・インターフェースがなじみやすい、APPC通信手順で書かれると思います。
APPC通信手順で作成された通信プログラムの特徴は、次のようなものがあげられます。
・構内システムで起動されたプログラムが、操作員の介在無しに、他方のシステムの通信プログラムを起動可能
・非同期会話、同期会話が選択可能
・確認要求を送信して、それに対する肯定/否定応答が可能(同期会話の場合)
・ストリーム形式/ブロック形式の両方に対応できる
・通信データのフォーマット情報のやり取り、およびフォーマットの自動選択が可能
・KEEP ALIVEの実装が不要(通信経路切断によるタイムアウト処理が不要)
特に、他方のシステムのプログラムの起動と、同期/非同期会話の選択がAPPCの特徴になると思います。

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