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2017年9月1日金曜日

~APPC通信プログラムを作成するには~
IBM i のSNA通信 (APPCプログラミング編)

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IBM i でAPPC通信プログラムを作成するには、システムAPIである「CPI-C」を利用する方法もありますが、RPGLEプログラマーにとってなじみやすい、「装置ファイル」を利用する方法が一般的です。「装置ファイル」は、IBM i に接続された表示装置、印刷装置などの各種装置をプログラムで取り扱うために使用するファイルで、表示装置であれば「表示装置ファイル」(DSPF)、印刷装置であれば「印刷装置ファイル」(PRTF)が使用されます。APPC通信プログラムでは、APPC通信装置を扱うために「通信装置ファイル」(ICFF:Intersystem Communication Facility File)を使用します。ICFファイルは、送受信するデータのレコード様式を定義するほか、APPC通信機能用の制御情報を「キーワード」の形式で記述し、定義したものになります。記述内容は表示装置ファイルのそれとよく似ていますが、表示装置と違って通信装置には、画面上の「行/桁」や表示属性がありませんので、ICFFはこれらを除いたDSPFのようなものになります。
2つのIBM i システムでAPPC通信構成が終了しているとして、起動システム側(CALLコマンドによって呼び出されるシステム側)と、受動システム側(APPC通信手順の遠隔プログラム開始要求を受けてプログラムが起動されるシステム側)それぞれのシステムで、ICFFとプログラム(例えばRPGLEプログラム)を作成することで、一つのAPPC通信アプリケーションを作成します。送受信するデータのレコード様式は、一般的に起動システム/受動システム側で共通ですので、両方のシステムで同じICFFを準備します。
ICFFを使用する通信プログラムは、APPC通信装置を直接指定して使用するのではなく、APPC通信装置に関連付けられた「プログラム装置」を通してAPPC通信装置にアクセスします。通信プログラムで使用されるプログラム装置は、ICFFファイルにあらかじめ追加しておきます。プログラム装置はICFFが再作成されると消えてしまいますので、再作成後にも再度追加してあげる必要があります。
APPC通信アプリケーションを作成するには、以下の手順で行います。
a)起動システム側
・ICFファイルの作成
・ICFファイルに遠隔ロケーション名を明示指定した起動側プログラム装置項目を追加
・ICFファイルを使用する通信プログラムの作成
b)受動システム側
・ICFファイルの作成
・ICFファイルに「*REQUESTER」遠隔ロケーション名を指定した受動側プログラム装置項目を追加
・ICFファイルを使用する通信プログラムの作成

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